春にやってくる例のヤツ

実践考察シリーズ

季節の変わり目は身体的にも精神的にも急激に変化が出やすいタイミングです。
対人支援をしていると、支援対象者の方も往々にしてこの変化を垣間見ることができます。
福祉の業界では、「毎年春先になると、利用者が軒並み荒れる」というのはもはや定説レベルとなっていて、分かっていても予防できない不可避のものとみなされています。
またその他の季節としては、ちょうど今頃ような梅雨や台風のシーズンは気圧の変化が激しいため、片頭痛や耳鳴りなどの症状もよく出てくるようです。

こうした状態に陥ってしまう背景として、医学の先生方による一説では「春先は出会いや別れ、転勤や転職、引っ越しなどの生活環境の変化が多く、心身がストレスを受けやすい時季」なのだそうです。
加えて花粉や黄砂の飛散量の増加、”三寒四温”という言葉の通り、寒暖差も激しく知らずのうちに心身に負担がかかっているのも要因とされているようです。

支援者としてはなんとも難儀な課題ですが、これについては何とかしよう(何とかさせよう)とするのではなく、”うまく付き合っていく”がベターなのではないかと思います。
障がいや精神疾患に完治という概念がなく、寛解(かんかい)という表現があるように、基本的には付き合っていくものとして捉え、「症状の波をどれだけ穏やかにするか」という点にフォーカスすると生きやすくなりそうです。
そして、症状の波を穏やかにするのは、言うまでもなく基本的な生活リズムを整えることで、バランスの取れた食事をしっかり摂ること、日光浴をすること、適度に運動をすること、よく休養すること、などが挙げられます。

支援される方も、支援する方も、少しでも心穏やかに充実した日々が送れるよう、願っています。